乳児 子供発達

【発達目安表付き】0歳児の身体・運動機能の発達について解説

0歳児を子育て中の親御さん。次のような悩みはありませんか?

悩んでいる人

・うちの子の発達のペースは大丈夫かな?

・この時期は、何が出来ているのが普通なの? など

 

子育て中の親御さんなら一度は不安や悩みがあると思います。

そこで、本記事は0歳児の発達、特に身体・運動の発達について紹介します。現在の我が子がどのくらいの発達段階にいるのかを参考程度にしてください。

 

 

0歳児の発達は人生の中で一番速度が目覚ましい

子供の発達のプロセスは、子供の普段の様子を観察する時に知っておくと役立ちます。その際、「全体的な発達したの状態」で捉える視野をもつことが大切です。「出来ないから」といって出来ない部分だけを注目して練習させてもうまくいきません。

また、発達は個人差がありますので、あまり他の子供と比較せずにゆっくり発達を見守ってあげましょう。

生まれてからの約1年間で、赤ちゃんの体重は生まれた時の約3倍、身長は1.5倍になります。人生の中で1番発育の速度が目覚ましい時期です。

 

ここからは、赤ちゃんの身体発育を「体重」・「身長」・「頭囲」の3つに分けて説明するよ。

 

0歳児(乳児期)の身体発育

 

・体重 

新生児(生後4週間までの赤ちゃん)の体重は、男児3,000g、女児2,950gが平均です。生後数日ほど経った頃に、一時的に体重減少がみられます。

これは、母親の胎内で得た水分の排出が哺乳量を上回ることが理由と考えられます。

その後は、体重は1ヶ月の間に1kg程度増え、3ヶ月で約2倍に増えます。その後も月1回程度体重を測って発育の状態を確認しましょう。

 

ちなみに、新生児は体重によって、次のように分類されます。

 

2,500g未満:低出生体重児

1,500g未満:極低出生体重児

1,000g未満:超低出生体重児  

 

現在日本では、出生数は減少しており、低出生体重児は年々増加しています

これは、不妊治療による双子や三つ子の赤ちゃんが増えたことや、新生児医療の進歩により、超低出生体重児として生まれた赤ちゃんの命を救えるようになったことが大きな要因です。   

 

 

・身長

新生児の平均身長は約49cmで、そこから1ヶ月で2~3cm伸び、1年で1.5倍ぐらいになります。

身長を測る場合は、身長計の台の上に仰向けに寝かせて頭を固定し、両膝を押さえてできるだけまっすぐに伸ばして計測します。

 

 

・頭囲

新生児の平均頭囲は約33cmで、胸囲より少し大きいのが一般的です。その後1年で頭囲と胸囲はだいたい同じになります。

また、頭囲と胸囲は似たような成長曲線をたどります。そこから大きく外れて頭囲が小さい場合は小頭症(しょうとうしょう)、大きい場合は水頭症(すいとうしょう)が疑われます。いずれの場合も、小児科医に相談することをお勧めします。

このように、赤ちゃんの成長について一般的な知識をもっておくことは問題の発見にも重要です。

しかし、大事なことは、成長には個人差があるということの理解です。平均よりも小さくても元気で食欲があり、その子供なりに成長曲線が伸びれば、あまり心配することはありません。

 

ここからは、運動機能について解説するよ。

 

 

0歳児の運動機能の発達

基本的には、0歳から1歳までの間に首がすわり、手足を動かすようになり、その後、寝返りや腹ばいと運動機能が著しく発達します。

7ヶ月を過ぎるとさらに活発に身体を動かすようになり、「ハイハイ」「つかまり立ち」「伝い歩き」と一人歩きに向けて発達していきます。

 

ここでは、生まれた後は0~3ヶ月、4~6ヶ月、7ヶ月~1歳の時期に分けて解説するよ。

 

 

0~3ヶ月の身体の発達

新生児は、胎児姿勢(横向きに寝て膝を軽く胸に引き寄せ、背中を少し丸めた体勢)で身体が中央に収縮している状態です。その後、徐々に仰向けの状態になり身体が伸びていきます。

 

1)身長

視力は、誕生後すぐは光を感じる程度の見え方で、うまく焦点を合わせることができないためぼんやりとした視界となります。生まれて1ヶ月を過ぎる頃からようやく注視できるようになります。

また、乳児の視力は、生後3ヶ月0.2程度といわれています。

 

2)聴力

聴力は、胎生期8ヶ月にはすでに成人レベルに達していると考えられます。また、赤ちゃんは誕生後すぐに音に反応します。

例えば、赤ちゃんの周りで音を立てると両手を広げるような動きをします。

これをモロー反射といいます。

 

3)反射

この時期の赤ちゃんは、視力や聴力以外にも刺激に対する反応である原始反射によって動きがあります。

この動きは学習によって獲得された能力ではなく、赤ちゃんの意思でもありません。

原始反射は、生命保持の目的もありますが、反射を繰り返すことで中枢神経系が発達するという作用もあります。

 

原始反射には次のようにたくさんの種類があります。

 

代表的な原始反射

哺乳反射

乳首などを探して吸い付き、乳を飲む反射

(※生後5~7ヶ月頃に消失)

探索反射

口の近くをなでると、触られたものを探すようにその方向に頭を向ける反射

(※生後4ヶ月頃に消失)

嚥下反射

口に入ったものを飲み込む反射

(※生後5~6ヶ月頃に消失)

モロー反射

赤ちゃんが外部からの刺激(音、光)などに対して驚いた時に見せる反射

(※生後3~4ヶ月頃に消失)

非対称性緊張性頸反射

仰向けの赤ちゃんの首を左右いずれかに向けると、向いた方の手足が伸び、反対側の手足が曲がる反射

(※生後4ヶ月頃に消失)

把握反射

指などで赤ちゃんの手のひらを刺激すると、手のひらを握る反射

(※生後3~4ヶ月頃に消失)

歩行反射

赤ちゃんの両脇を持ち上げ、足を床につけそのまま体を前方に傾けると、両足を前に出して歩くようなしぐさをする反射

(※生後5~8週頃に消失)

ギャラン反射

うつ伏せにした赤ちゃんの背中の外側を上から下へ優しくさすると、右側をさすれば右のお尻が右側へ動き、左側をさすると左のお尻が左側へ動く反射

(※生後4~5ヶ月頃に消失)

パラシュート反射

前向きに倒れそうな時、腕を前に伸ばして、頭からの転倒を防ぐような反射

(消失しない)

視性立ち直り反射

座位の状態で前後左右に傾いた時、頭を反対方向に傾けて、垂直に保とうとする反射。視覚の発達に伴い出現する

(生後5~6ヶ月頃出現。消失しない)

迷路性立ち直り反射

座位で目隠しされた状態で前後左右に傾いた時、頭を反対方向に傾けて、垂直に保とうとする反射。耳石の発達に伴い出現する

(生後5~6ヶ月頃出現。消失しない)

バビンスキー反射

指先などで足裏をかかとからつま先に向けてこすると足指が外側に開く反射

(※1~2歳頃に消失)

ランドウ反射

うつ伏せの状態で水平にすると、頭を上げて水平に保とうとし、頭を下げると、ハイハイするような格好をする反射

(※2歳頃に消失)

 

4)粗大運動

粗大運動は、全身を使った移動や平衡を保持する運動で自立歩行につながります。赤ちゃんは、3ヶ月頃になると首がすわり、飛躍的に視野の範囲が広がり、180度に追視(動いている物を目で追うこと)が出来るようになります

追視は粗大運動の1つですが、赤ちゃんの粗大運動は手足を伸ばしたり体をひねったりする様子もあります。

 

5)微細運動

微細運動は手足の運動で物の操作に関係します。単に運動の発達というのではなく、認知の発達や好奇心などと関係しているとされています。

手のひらは握っていても親指は外に出始め、指が開いていることが増えます。

生後2ヶ月頃、手を口に入れて吸う動作(ハンドサッキング)がみられ、3ヶ月頃になると仰向けの状態で自分の手のひらを眺める動作(ハンドリガード)もみられるようになります。

 

 

4~6ヶ月の身体の発達

4ヶ月頃になると、原始反射が消え始め、赤ちゃんは自分の意思で手足を動かせるようになります。これを随意運動といいます。

また、首のすわりも安定し、腹ばいの状態から頭を持ち上げ、しばらくその姿勢を保つことができるようになります

仰向けの姿勢で両手を胸の位置で合わせたり、絡ませたり、足を持ち上げて、手で触るポーズも見られます。

早い子どもでは、寝返りをし、6ヶ月頃になるとお座りが出来る子どもも増えてきます。

手足の運動も「もみじ手」といわれるように手のひらが開き、手に触れたものや目に入ったものに手を伸ばすリーチングという協応動作もみられます。

4、5ヶ月の乳児検診では、原始反射の消失の状況、視性立ち直り反射の出現などを確認することで赤ちゃんの脳の異常を早期に発見するために観察が行われます

 

 

7ヶ月~1歳の身体の発達

寝返りから座ったり、ハイハイができるようになります。また、この頃によく見られるポーズにグライダーポーズがあります。

こうして、腹筋や背筋に力が入るようになるとハイハイが上手になります。

その後、ずりばい⇒四つばい⇒座位⇒つかまり立ち⇒歩行に必要になってくる基本的な動きができるようになります。

10ヶ月頃には、ずりばいは四つばいとなり、よりスピードも速くなりその後、高ばいといって、両手足を床につけて、お腹とお尻をあげた状態でハイハイ(股のぞきしているような格好)ができるようになります。

腰から左右の足全体を動かして、前進することを覚えます。

1歳近くになると、近くにある台などにつかまって立つ、つかまり立ちがよく見られるようになります。

次第にバランスを取って1歩、2歩と歩き始めます。

手指の発達も進む、触る⇒指全体でつかむ⇒親指と人差し指でつまむへと変化していきます。

 

発達目安表

身体面・運動面の発達が最も著しく変化する時期です。感覚機能も発達し、周囲の世界を認識していきます。赤ちゃんが示す様々な行動や要求に親が適切に応答していくことで、情緒的な絆が形成されます。身体・運動面での発達について大まかな発達表を記載しております。参考程度にご覧ください。決して出来ていないからといって焦らないことが大事です。

 

誕生~3ヶ月

  • 人の顔を注視する
  • 顔は左右どちらかに向けている
  • 手を口に入れて吸う
  • 首がすわり始める
  • 親指が開き始める

 

 

4ヶ月~6ヶ月

  • うつ伏せにすると頭を持ち上げる
  • 左右の手足を同じように動かすことができる
  • 仰向けの状態で、手で足をつかむ
  • 寝返りができる

 

 

7ヶ月~1歳

  • 大人が支えると座ることができる
  • 物を握ることができる
  • ハイハイができる
  • つかまり立ちができる
  • 物をつまんで、人に渡すことができる

 

いかかでしたか?0歳の身体・運動機能についてご参考になれば幸いです。

また、0歳児の言葉の発達についてはこちらの記事で解説しておりますので、よかったらこちらも参考にしてみてください。

こちらもCHECK

【泣くのにも理由がある】0歳児の言葉の発達について【発達目安表付き】

0歳児を子育て中の親御さん。次のような悩みありませんか? 悩んでいる人 ・何で泣いているんだろう? ・いつまで泣くんだろう? ・泣いたときの対処法が分からない など   特に赤ちゃんの時期は ...

続きを見る

 

にほんブログ村 子育てブログへ にほんブログ村

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

しょうパパ

1児のパパ。妻、娘、愛犬と暮らし。子育て心理アドバイザー講座受講中。子育てについて勉強、発信しています。良かったらご参考にしてください。

-乳児, 子供発達
-,