本記事は1歳児の言葉の発達についての記事です。
子育てにおいて次のような悩みはありませんか?
悩み
1歳児の言葉の発達が分からない
子どもにとって良い関わり方を知りたい
他の子と比較してことばがなかなか出ない
本記事を読むと、上記の悩みが解決しますのでぜひ参考にしてみてください。
言葉の発達(1歳~1歳6ヶ月)
子どもは、親などの大人が自分に語りかける言葉の簡単な意味が理解できるようになると、自分も同じように言葉を発しようとします。
それが、乳児期後期頃になると、大人の語りかける言葉の持つリズミカルな音声に心地よさを感じるようになります。
子ども自身もそれまでは、「パー」とか「マンマンマン」などと喃語を発していたのが、母親から「そうそう『ママ』よ。呼んでくれたのね」と応じると、自分の発した音の意味に気付きます。
例えば、「ママ」という言葉が「母親」という意味のある言葉だと理解します。
意味があるものということが分かると、子ども自身も大人と同じ音を出そうとし、話している大人の口元を見て同じように口を動かします。
次第に「ママ」と「マンマ」の言い分けができるようになり、自分のイメージした音を口から発します。
このように喃語を発していた子どもが初めて発する意味のある単語を初語といいます。
主な初語の例は次の通りです。
【初語の例】
母親 | マー、ママ、アータン |
父親 | パパ、タータン |
祖母 | バー、バーバ |
祖父 | ジー、ジージ |
犬 | ワンワン、ワウワウ |
猫 | ニャンニャン、ニャーニャ |
食べ物 | ウマ、マンマ |
車 | ブーブ |
寝る | ネンネ |
拒否 | アメー、イヤー、ブー |
形容詞 | ナイナイ、アチチ、イタタ、バイバイ |
言葉の理解
この時期の子どもの言葉の理解と表出の状態を客観的に知るには、次のような意思表示や行動が目安になります。
【意思表示や行動】
「ワンワンはどれ?」と聞かれると、絵本の中から自分の気に入った動物を指す。
絵本の中の犬の絵を指して「ワンワン」と言えるようになる。犬は「ワンワン」、食べ物は「マンマ」など、グループの名前を言う
「帽子をかぶって」などの指示的なことばがわかり、帽子をかぶる
「いただきます」「ごちそうさま」のあいさつを聞いて、真似をして、「マ」と言ったり頭を下げたりする
生活の中でよく耳にする言葉を真似てそれらしく言えるようになる
「なに?」と気になった物の名前を知りたがる
関わり方のポイント
この時期の親の関わり方のポイントは次の4つです。
「そうね、~ね」と認める
「~できたんだね」とほめる
子どもの要求を先取りしない
積極的にコミュニケーションをする
「そうね、~ね」と認める
乳幼児が、意味のある言葉を話すことができるようになったり、自分の名前が呼ばれたことがわかるようになったりする時期がきたら、親や保護者は、その都度子どもの反応を認めて、言葉が理解できた喜びが感じられるようにしてあげましょう。
何をするにも繰り返すことが楽しい時期なので「同じことばかり繰り返す」と面倒がらずに付き合いましょう。
また、言葉を覚えると、片言でも言いたいことを一生懸命に伝えようとします。
話しかけてきたら、しゃがんで子どもと同じ目線になり、耳を傾けてあげましょう。
「~できたんだね」とほめる
大人の言葉が理解できるようになると、子どもは行動することによって応えられるようになります。
例えば、子どもが親に「待っていてね」と言われて、その言葉通りに待てた時は、「〇〇ちゃん、待っていてくれてありがとう」とほめて子どもの行動を認めてあげましょう。
子どもの要求を先取りしない
この時期は、子どもが言葉を上手く表現できなくても、気持ちを察してあいづちを打ちながら、子どもが自分で表現しようとするまで待ちましょう。
積極的にコミュニケーションをする
最近の研究では、子どもが見ているものを大人も興味をもって見て、子どものジェスチャーや擬音語・擬態語を使って大人が子どもに表現して見せる事は、言葉の発達を促進させる方法だとされています。
同じように"子どもに話をするときは、赤ちゃん言葉を使ったほうが早く言葉を覚える"ということもわかってきました。
つまり、子どもに合わせて子どもが話しやすい表現でコミュニケーションをはかり、親子が楽しく関わることができる時間を持つことが大切です。
言葉の発達(1歳6ヶ月~2歳)
1歳6ヶ月頃からは、1語文が始まり、やがて「ニャーニャー」「ブーブー」などに2音連続した反復音声が増えます。
それが、「マンマ、ッタ」(ごはん、あった)のような2語文につながります。
この頃になると急速にことばの数が増え、語尾の上げ下げや強弱で、自分の気持ちや疑問を表せるようになります。
例えば次の通りです。
・子どもが強い表現で「バナナ!」と言うとき
⇒「バナナがほしい」という意味
・「バナナ↑」と語尾を上げて言うとき
⇒「これはバナナだよね?」と確認する意味
言葉の理解
この時期の子どものことばの理解と表出の状態を客観的に知るには、次のような意思表示や行動が目安になります。
【意思表示や行動】
人の名前や自分の名前が分かり、呼ばれると返事をする
「ゴミ、ポイして」などの言葉の指示に行動することができる
自分が知っている物、見つけた物を指さししたり、言葉で表したりして、大人に知らせようとする
「ブーブー」「モグモグ」など、おもちゃで遊びながら一人しゃべりをする
鏡に映っている姿を自分だと認識でき、表情や動作を変えて鏡を見たりする
「ワンワン、いた」のように、2語文で話し始める子もいる
関わり方のポイント
この時期の親の関わり方のポイントは次の4つです。
ことばに表情をつける
ことばを付け加える
ことばの興味を引き出せる遊びの工夫をする
テレビをつけっぱなしにしない
言葉に表情をつける
子どもは、言葉の語尾の高低や強弱を変えることによって、自分の気持ちが人に伝えることを学んでいます。
言葉に表情をつけるために、関わる大人も少し大げさに表現しましょう。
例えば次の通りです。
・パパが寝ている場面で使われる「シーッ」
・子どもが外で大きな声を出して注意される「シーッ」
2つは同じ静かにしてほしい時に言う「シーッ」でも、場面によって声の大きさが異なりますよね。
場面ごとによって変わることばの高低や強弱の違いを感じることで、自分の気持ちが人に伝えられることを学びます。
言葉を付け加える
例えば、子どもが発する「パパ」でも、状況や子どもによって違いがあります。
そのため、子どもの様子に合わせて、大人はことばを補うような会話を心がけましょう。
例えは次の通りです。
・お店の中でパパを探している場合
「パパ、どこかな?」
・眠そうにしている場合
「パパにだっこしてほしいの?」
そうすることで、言葉を発する時に1語文から次第に、「パパ、どこ?」などの2語文へ繋がっていきます。
言葉の興味を引き出せる遊びの工夫をする
子どもの持つ興味に合わせて絵本の読みきかせがおすすめです。
子どもがいつでも手に取って親のところに持ってきたり、自分で本を取り出して広げて見たりすることができるように配慮してあげるといいでしょう。
そのため、絵本の表紙が見やすい本棚がおすすめです。
また、絵本選びに迷ったら、こちらの記事を参考にしてみてください。
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テレビをつけっぱなしにしない
この時期の子どもは、聞く力や集中力を育てる時期です。
そのため、子どもの耳に入る言葉には注意を払いましょう。
テレビやインターネットの子ども向け番組は綿密に制作されており、子どもの関心をひく内容がたくさんあります。
しかし、テレビ番組などの映像は子どもの理解できるペースに合わせてくれません。
「もう1回」と子どもが思っても、次に移ってしまったりします。
大切なことは、子どものテンポや理解度に合わせて関わるということです。
そのため、なるべくテレビのつけっぱなしは避けましょう。
ことばがなかなか出ない原因
1歳半健診の時に、医師や保健師に「意味のあることばを話すことができますか?」と聞かれたり、健診会場で他の子どもたちが話しているのを見て、焦りを感じる親も少なくありません。
発育や発達に個人差が大きいこの年齢では、まず子どもが親や周りの人が話していることをどれぐらい理解しているかを知ることが大事です。
例えば、次のような大人の関わりを楽しんで真似しようとする姿が見られる時は、言葉の意味は理解しているといえます。
「ちょうだい」という言葉に応えて、子どもが自分の持っているものを渡す
「バイバイ」という言葉に応じて手を振る
「おいしいね」と話しかけると「ねー」と語尾を真似して笑ったりする
このような姿が見られているのであれば、言葉が出てくるのをしばらく待ってみましょう。
主な原因は次の3つです。
①機音器官の発達がゆっくりしている
②子どもが言葉を発する必要性を感じていない
③自分の要求にすぐに応えてもらえる
機音器官の発達がゆっくりしている
子どもの機音器官の発達がゆっくりしていて、言葉を発するための機音器官の動きがぎこちない場合があります。
例えば、次のような行動が見られると機音器官の発達がゆっくりと考えられます。
歯が生えるのが遅い
口が開いていてよだれが多い
口の中に食べ物がたまって、なかなか飲み込めない など
子どもがことばを発する必要性を感じていない
子どもが言葉を発する必要性を感じていない場合もあります。
子どもが生活の中で特に困ることもなく、自分の気に入った遊びなどに没頭していて周りに興味を示さない場合です。
例えば次の通りです。
親が「〇〇してちょうだい」ということには応じないが、自分(子ども)の要求は泣いたり、「あー」とか「キー」というような発声で伝えてくる
このような子どもは、乳児期からあまり手のかからない一人遊びの好きな子どもである場合もあります。
自分の要求にすぐに応えてもらえる
大人や世話をしてくれる人がいつも側にいて、自分(子ども)に要求にすぐ反応してもらえる場合です。
例えば次の通りです。
子どもが母親をちらっと見ただけで、「ああ、ミルクが飲みたいのね」とすぐ渡す
子どもが不機嫌になり始めると、「はい、おしゃぶりよ」と気を紛らわせるものが与えられる など
このような環境だと、子どもは自分から話す必要性を感じなくなります。
関わり方のポイント
なかなか言葉ができない子どもへの親の関わり方のポイントは次の4つです。
口の周りをしっかり刺激する
遊びを工夫する
言葉のやりとりをする楽しさを経験させる
子どもからの働きかけを待つ
口の周りをしっかり刺激する
柔らかくて食べやすい物ばかりではなく、しっかり噛むことを練習させましょう。
また、飲み物はマグカップではなく、コップで飲んだりストローを使って飲んだりさせるなど、食生活のバリエーションを増やすようにしましょう。
おやつをあげる場合も、歯ごたえのあるせんべいや小魚など噛む必要がある物を与えましょう。
遊びを工夫する
口を尖らせたり、「あかんべー」をしたりなど口の動きを意識した遊びを取り入れることも大切です。
また、子どもがよく知っている身近なものの"音遊び"も効果的です。
代表的な遊びにオノマトペ遊びがあります。
オノマトペとは、動物の鳴き声や感情、事物を音として表すことばです。
子どもにとって、動物の鳴き声や物音などはイメージしやすく、遊び感覚で言葉を学習できます。
オノマトペ遊びをしてあげると、子どもの方から興味をもち、真似しようとする場合があります。
ことばのやりとりをする楽しさを経験させる
行為の一連の流れに関して言葉を入れるなどして、子どもの一人遊びに上手く介入してみましょう。
例えば次の流れの通りです。
①お気に入りのおもちゃを子どもに渡すときに「どうぞ」
②子どもからもらうときは「ちょうだい」
③もらったら「ありがとう」
なるべく子どもを一人で放っておくのではなく、側で遊びのサポートをするような関わり方をしましょう。
子どもからの働きかけを待つ
子どもが泣くことや癇癪を起すことを必要以上の怖がらずに、親は子どもの行動を先読みして対応をしすぎないことも大切です。
「何が欲しいのかな」「どこに行きたいのかな」と子どもの様子を見て、子どもから意志が発信されるのを待つことを意識してみましょう。
そうすることで、言葉を発する環境をつくることができます。
また、子どもの手本となる大人同士(夫婦など)の関係も重要です。
相手に何かしてもらったら、お互いにありがとうなどの言葉かけをしましょう。
子どもは大人同士のやりとりをよく見聞きしています。
以上となります。
また、1歳児の学習については、こどもちゃれんじもおすすめです。
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