0歳児を子育て中の親御さん。次のような悩みありませんか?
・何で泣いているんだろう?
・いつまで泣くんだろう?
・泣いたときの対処法が分からない など
特に赤ちゃんの時期は、泣くことでしか感情を表現できないため、何で泣いているのかを理解できないこと多いでしょう。
また時には、赤ちゃんが泣いていると「泣き止ませないと」、「いつまで泣くの?」と不安や焦り、イライラなど精神的に苦しい時がくるかもしれません。
そこで、ぜひ本記事を通して、「この泣き方は何を訴えているのか」、「どのように関わればよいのか」を参考にしていただければ幸いです。
本記事で分かること
0歳児が泣くことによって訴えていること
泣いた際の大人の関わり方
各月齢での言葉の発達の目安について
0歳児の言葉の発達
赤ちゃんが言葉を発するには、まず外界の刺激の1つである「音」が聞こえていることがベースになります。そして、音がベースになる言葉の獲得には「聴覚」の状態が大変重要です。
そこで、聴覚の状態を把握するため、厚生労働省は新生児の聴覚スクリーニング検査の導入を産科に勧めています。この検査によって難聴のある子供をできるだけ早期に発見することができ、適切な療育が始められるようになりました。
聴覚スクリーニング検査は、生まれた時にどのくらい聞こえているかを検査するもので、赤ちゃんが眠っている間に検査します。
この検査で「聴覚反応あり」とされた場合でも、その後に生じる難聴や中耳炎などが原因で難聴になる場合もあります。
また、先天性難聴は、1000人に1人以上の頻度で発症し、他の先天性疾患の中でも高頻度です。
そのため、親は子供の成長をしっかりサポートするためにも、月齢や年齢に応じたチェックや自治体で行われている乳幼児の定期健診を受けることが重要です。
0~3ヵ月の言葉の発達
赤ちゃんが泣くと「早く泣くのをやめさせなくては・・・」と親は考えて焦ってしまうものです。
しかし、赤ちゃんにとって「泣く」という行為は、他人と関わり方を知る上でも、またしっかりと呼吸をして心臓や肺を成長させるという意味でも重要です。
親は赤ちゃんを「泣かせないように」と頑張るのではなく、泣いたらどう対応したらいいのかを考えましょう。
・発達の特徴
新生児の泣き声は、喉が詰まったような声色ですが、徐々に喉が開き、泣き声に変化がつけれるようになります。
泣いている理由は様々で、暑かったり、寒かったり、眠かったり、お腹が空いてるなど不快を訴える場合がほとんどです。
生後3ヵ月頃から「寂しい」という感情を表現する泣き声も少しずつ聞かれます。そのため、月齢が進むにつれて単純な理由からではなく、感情表現としての泣き声が増えてきます。
パープル(PURPLE)クライングとは、赤ちゃんが泣く場合の6つ特徴を英語の頭文字をとってつけれれています。
パープルクライング
p:Peak of Crying
生後2週間頃に現れて、2ヵ月頃にピークを迎え、その後徐々に和らぐ。
U:Unexpected
泣いている理由を理解・予想できない
R:Resists soothing
なだめることもできない
P:Pain-like face
痛くなくても痛そうな表情で泣く
L:Long lasting
長く続く、トータルで1日で5時間泣くことがある
E:Evenig
特に午後から夕方にかけてよく泣く。
このパープルクライングは、親の関わり方が間違っていたり、不適切であることが原因ではありません。
そのため、まずはこの6つの特徴を理解し、泣いているからといって自分自身を責めないようにしましょう。そうすることで気持ちが楽になります。
また、不快を訴える場合と反対に、快適な状態であると微笑みをみせることがあります。これは生理的微笑と呼ばれる反応で、寝ているときによくみられます。
・関わり方のポイント
言葉を話すことができない赤ちゃんにとっては、泣くのは唯一の表現方法です。
しかし、赤ちゃんが泣いてばかりだと親はどう対処すればよいか困ってしまいます。つい耳をふさぎたくなったりしますが、親は赤ちゃんの泣き声をよく聞くことで、泣いている意味(特徴)に気付くことができるようになります。子育て中は、泣き声は赤ちゃんのメッセージだと捉えましょう。
しかし、すべての赤ちゃんに当てはまるわけではありませんので参考程度にご覧ください。
1)「ネ~ネ~」というナ行のような発音の泣き声の場合
お腹が空いていたり、おっぱいを口に含んで安心したいときに多い泣き声です。
2)「オー」という泣き声の場合
あくびをするような口の形で泣いているため、「オー」の発音になります。眠そうに目をこすったりするので眠たい時に多い泣き声です。
3)「へー」という泣き声の場合
オムツが汚れていたり、汗をかいて気持ちが悪かったりすることが多いようです。不快さを表現する泣き声です。
4)「イヤー」といる泣き声の場合
うんちが出そうな場合のサインです。身体に力を入れたり、足をバタバタさせたりする様子が多くみられます。お腹にガスが溜まっているときもこのような泣き声になります。ベビーマッサージでお腹をほぐし、ガスやうんちがスムーズに出せるようにしてあげましょう。
5)「ウェッ」という短めの泣き声の場合
ゲップが上手く出せていない可能性がある泣き声です。赤ちゃんを縦に抱っこしてポンポンと背中をたたき、ゲップを出しやすくしてあげましょう。
3~5ヵ月の言葉の発達
首がすわって人と視線が合うようになってきた頃から、赤ちゃんは大人を見ようとします。
この時期の特徴は、相互同期性とクーイングの2つです。
・発達の特徴
相互同期性
3~5ヶ月になると、赤ちゃんは自分が不快な状態の場合は泣いて訴えます。また、泣いているときに大人が声をかけたり、身体を優しくなでてあげたりすると、泣き止むようになります。
さらに、大人の方から言葉をかけると、赤ちゃんが大人の方を見たりします。赤ちゃんから返ってくる反応がうれしくて、大人があやしたりするという相互のやりとりが始まります。
このように互いの情動をやりとりする関係を相互同期性といいます。
クーイング
この頃から、「アー」とか「ウー」などのような発声が聞かれるようになります。この発声をクーイングといい、喃語(なんご)の初期状態とされます。
喃語とは赤ちゃんに特有の音声で、言葉を覚える前に発する意味を伴わない声のことをいいます。
クーイングは、比較的、赤ちゃんが快適な状態に現れることが多いため、プレジャーサインと表現されることもあります。
・関わり方のポイント
この時期は、順調に感情の分化(快・不快の感情が分かれること)が進んでおり、その時々の感情が原因で泣いていることが多いです。
そのため、生後0~3ヶ月頃みたいに、ミルクをあげたり、オムツを替えただけでは泣き止まないので、親は悩んでしまいます。
この時期の赤ちゃんとの関わり方のポイントとしては、家事の最中でもいったん手をとめて、赤ちゃんを抱っこしたりベビーマッサージをしたりとスキンシップをたくさんとることです。
また、ゆっくりとしたテンポで抑揚を大きく取って話しかけて、赤ちゃんの反応を待つように相づちを打ちましょう。
ポイント
・話す声のトーンを高く
・抑揚が大きい
・ゆっくりとしたテンポ
・相手の反応を待つように間を取る
・同じ言葉を繰り返す
1)あらゆる場面で語りかける
・お腹空いた?
・オムツ気持ち悪いね
・おいしいね
・すっきりしたね
など、赤ちゃんは親が自分の気持ちを言葉にしてくれることをしっかり聞いています。食事、睡眠、排せつ以外にも、遊んでいる時や、出かけている時などあらゆる場面で声をかけてあげましょう。
2)赤ちゃんの気持ちを代弁する
・もっとミルク飲みたいの?
・眠いのね
・抱っこしてほしいのね?
など、生理的な欲求など親が赤ちゃんの気持ちを予測してあげましょう。そして、その気持ちを声にして代弁してあげましょう。そのようなコミュニケーションが、赤ちゃんが言葉を覚える基礎となります。
3)喃語を真似して繰り返す
赤ちゃんの気持ちを予測して言葉を返すだけではなく、赤ちゃんが発声した「アー」や「ウー」などの言葉をそのまま真似して繰り返すことも大事です。
「声を出したら反応してくれる」と赤ちゃんは感じて、言葉を出す楽しさを覚え会話が楽しいと思える心を育てます。
6ヵ月~1歳の言葉の発達
この時期になると、赤ちゃんは咽頭部や口腔が広くなり、舌を動かせる範囲が広くなるので、様々な音が出せるようになります。
それに伴い、喃語が発達して、音を繰り返したり、抑揚をつけたりすることが出来るようになります。
この時期の言葉の機能の特徴は「喃語の多様化」と「身振り表現」です。
・発達の特徴
喃語の多様化
6ヶ月頃から「バー」「ブー」など口唇を使う音も出せるようになり、自分の意志や要求を大人に伝えようとします。
赤ちゃんが出しやすい子音は、力を入れなくても出せる「マ行」や「バ行」が多くなります。
10ヶ月頃になると「マンマン」「バウバウ」などのように、発声で音遊びを楽しんでいるような姿がみられます。
反復される喃語に抑揚や強弱がつき、あたかも何かを話しているような長い喃語も聞かれるようになります。
身振り表現から指さし表現へ
4ヶ月頃までは、目の前にあったものが隠されると、なくなったと考えて興味を失います。しかし、6ヶ月を過ぎる頃からは、視界から消えてもまだどこかに存在していると考えることが出来る物の永続性が理解出来るになります。
例えば、ガラガラを手から落としたら下を見たり、おもちゃを布にかけて隠しても布をめくろうとしたりします。
これは目の前にないものを思い浮かべるという想像力の芽生えであると考えられています。
また、「ブーブーだよ」と大人が指さすと、そちらを見るようになったり、「もうお菓子はナイナイ」と隠されると「えーん」と泣き真似をするなど、大人の言葉や行為の意味を理解できるようになります。
さらに、落ちたボールを指さして「あーあ」と言ったり、絵本の中のものを指さしたりと、指さしで示すしぐさも出てきます。これは、指さし表現と呼ばれ、言葉が出てくる前後によくみられます。
例えば、絵本の犬を指さしした時、「そう、ワンワンだね」と大人が言ってあげると、赤ちゃんは言葉を習得していきます。
・関わり方のポイント
1)発語に丁寧に応じて、赤ちゃんに発語の意欲をもたせる
喃語を話している赤ちゃんは楽しそうですが、大人にとってはただの音にしか聞こえず、どう関わっていいか分からない親が多いです。
その際は、難しく考える必要はなくて、赤ちゃんが楽しそうに喃語で話していたら、同じように「そう、ブーブー」と喃語で返事をしてあげましょう。
その時に、赤ちゃんに向かって言葉を返してあげることが重要です。そうすると赤ちゃんも「自分が声を出せば、大人は分かってくれる、コミュニケーションができる」と感じて、さらに喃語を増やしていきます。
この時期は特に、大人もオノマトペで語りかけることを意識しましょう。
オノマトペとは、有意の音や声、動きなどを音で表現した語のことです。
例えば・・・
ポイント
・ボール遊びでは、「ボールコロコロ」
・くっつき遊びでは、「むぎゅー」
・散歩中では、「トコトコ」 など
動きに合わせて声をかけると、楽しそうに同じ音を真似して言おうとすることがあります。ぜひ意識してみてください。
2)子供の興味に共感する
身の回りの物だけではなく、絵本や散歩に出た時の外の世界の物など、赤ちゃんは興味の広がりに合わせて、発声や指さしも頻繁に出てきます。
赤ちゃんが指さした物を「ちょうちょだね」「ブーブーが来たね」など、大人が言葉にすることで、赤ちゃんの頭の中にその言葉を記憶していきます。
また、「まだ言っても分からないから」と寡黙に子育てをすることはなるべく控えましょう。
大人が繰り返し言葉をかけることで、褒められていること、怒られていることなどが次第に分かるようになります。
発達目安表
誕生~3ヶ月
- 泣き声に変化がみられる
- 快い状態では微笑みを見せる
- 空腹やオムツが濡れた不快を泣き声で知らせる
4~6ヶ月
- 「アー」「ウー」のような発声をする
- 音に敏感になり、音や話し声のするほうに顔を向ける
- 「クー」「ブー」「バー」などの音も出せるようになる
7ヶ月~1歳
- 喃語が盛んになり、声で大人を呼ぶ
- 「マンマン」などの音の繰り返しの発声をする
- 喃語で大人とやりとりをする
- 大人の言うことや動作を真似しようとする
- 禁止や褒められる言葉が分かる
- 指さされた物を見る
いかがでしたか?ぜひ言葉の発達について参考にしていただければ幸いです。
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